記号創発システム分野
当分野では、言葉の意味を実世界の中で理解して活動できるAI・ロボットの創成と、それを通した人間理解、また人間と機械の調和的な未来社会の創成を目指した研究を行っています。人間は実環境の中で適応することで身体を用いて知的に振る舞っています。人間の使う言語やそれに基づく会話も、やはり進化や発達の果てに社会としての私たちが得た知的な機能だと考えられるのです。そこで個体の認知のみならず、集団の学習を通してのコミュニケーションの創発に関する研究まで含めて展開しています。
教員
- 教授:谷口 忠大
- 助教:長野 匡隼
研究内容
1. 記号創発ロボティクス
人間は環境との相互作用を通して身体的な行動が可能になり、自らの知覚と行為の循環の中で世界のモデルを得ていきます。その上で世界を表現する言葉を学習してそれを通したコミュニケーションをも可能にします。これらは本来、受け身の過程ではなく、自律的で能動的な過程です。記号創発ロボティクスは、相互作用を通じて物理的・記号的環境のなかで自律的に適応するAI・ロボットの開発、およびそれを通した人間理解を目指しています。認知科学や発達ロボティクスと密接に関連する分野であり、認知科学、心理学、言語学、自然言語処理、脳神経科学、哲学等の分野との相互作用を通した知能の探求も含みます。
2. 言語とコミュニケーションの創発
人間は言語を操る存在であると共に、言語を生み出す存在であることにその特殊性があります。記号創発システムとは、複数のエージェントが相互作用を通じて、新たな記号や意味の体系(言語を代表に音楽や規範、科学的知識などを含む)を生み出すシステムのことを指します。言語や記号がどのようにして発展し、どのようなメカニズムによって意味が共有されるようになるのかを探求します。さらにAIと人間の両方を含んだシステムを考え、人間AI共存系をいかにより良いものにするかという共創的なシステムのデザイン論の理論的な探求や、人間にとってのコミュニケーション場のメカニズムデザインの研究も行います。
3. 人工知能技術の実世界応用
不確実性に満ちた実世界で学び続け作動し続けることは未だに多くのチャレンジを含みます。次世代のサービスロボティクスのためのマルチモーダル言語理解、認知アーキテクチャ、インタラクションの設計、さらに日常物体操作や科学実験自動化のための機械学習技術の研究開発を行っています。
