数理工学シンポジウム

数理工学シンポジウムは,年に数回開催しております.

R7年度の数理工学シンポジウム

R7年度はシンポジウムを2回実施します.

1回目
日時:令和7年7月15日(火)午前10時30分~12時00分
場所:吉田キャンパス 総合研究8号館NSホール

2回目
日時:令和7年7月22日(火)午前10時30分~12時00分
場所:吉田キャンパス 総合研究8号館NSホール

講演内容:

1回目(令和7年7月15日)

講演者:松井 佑貴夫 氏(Amazon.com Inc.)
プロフィール: 2004年 京都大学工学部情報学科卒業。2006年 同大学院情報学研究科数理工学専攻修了。同年、株式会社東芝に入社、研究開発センターにてLSIの高位設計技術の研究開発に従事。2011年よりAmazon.com, Inc. にて、ショッピングアプリやモバイルウェブサイトの機能開発、SNSプロバイダーとの連携機能の実装などに携わる。2017年からはAmazon Fulfillment Technologiesに所属し、物流現場で用いられる各種技術の設計・開発に従事している。

講演題目:数理工学は実務でどう活かされているのか?─ Amazonの事例から
(概要)
Amazonでは日々、世界中の膨大な注文を処理するために、自動化・ロボティクス・データ駆動型の意思決定が高度に組み合わされた、大規模なシステムが稼働しています。本講演では、Amazonの倉庫内物流を支えるテクノロジーと、自身が所属するチームが取り組む「商品属性(重量・寸法・外観など)」に関するデータ取得・分析業務を題材に、実際の業務で直面する課題と、それに対するアプローチを紹介します。
具体的には、A/Bテストによる実験設計、評価指標の設計と運用、大規模データに対する数理的アルゴリズムの適用、さらに機械学習やコンピュータビジョンを用いた実システムにおける自動計測技術など、数理工学で学ぶ理論がどのように実務に応用されているかを解説します。
また、Amazonのような巨大かつ分散的な組織における開発や意思決定の進め方、そして大規模システムで起こる予想外の問題とその対応についても触れつつ、数理工学を学ぶみなさんが「この知識が将来どう活かされるのか」を具体的にイメージできるような話をお届けできればと思います。なお、オンラインでの講演を予定しています。

2回目(令和7年7月22日)

講演者:井上 雅章 氏(トヨタ自動車株式会社)
プロフィール: 2022年京都大学大学院情報学研究科修了、博士(情報学)。2022年4月よりトヨタ自動車株式会社にリサーチャーとして入社。コネクティッドカーから取得される車両データの解析および利活用に関わるアルゴリズムの研究開発に従事。

講演題目:自動車のビッグデータと数理工学
(概要)
通信技術の進展により、車載センサや通信機能を介して自動車が取得・送信する大規模かつ多様な時空間データが、リアルタイムで利用可能となりつつあります。これらのデータには、GPSやCAN(Controller Area Network)と呼ばれる車両挙動の情報に加え、カメラ、LiDAR、ミリ波レーダーなど各種センサによる周辺環境の認識情報が含まれており、マルチモーダルかつ高次元なビッグデータとして集積されています。本講演では、自動車のビッグデータを用いた応用事例として、交通流予測や自動運転における環境認識・意思決定プロセスを支える統計的機械学習や数理工学の役割を説明し、複雑な交通現象のモデリングやデータセットの不均衡さといった課題に対処するための研究事例を紹介します。


過去に開催されたシンポジウムは,以下の通りです.

以下の写真は,「ビジネスに向けての数理工学」 (平成19年1月19日)の様子です.

シンポジウム「ビジネスへ向けての数理工学」写真1 シンポジウム「ビジネスへ向けての数理工学」写真2

シンポジウム「ビジネスへ向けての数理工学」写真4 シンポジウム「ビジネスへ向けての数理工学」写真6